12月2012

良いお年をお迎え下さい。

校長の能勢です。

年の瀬も迫り、あと数日で2012年も終わります。

今年は自身が制作したドキュメンタリー映画「流」が、いくつかの賞を頂き、自主上映やポレポレ東中野での上映等、バタバタとした1年でありました。

私は撮影だけの仕事ではなく、映像制作や映像文化を見据えた自身の活動の場を広げていくという目的を持ちながら、日本ビデオ撮影アカデミーを主催しています。

昨今の小型ビデオカメラの普及により、誰でも気軽に映像制作を行うことが可能となりましたが、その反面 撮影の基礎や作品の作り方の基礎を知らなくても、作品が簡単に作れるようになり、作品の質の低下や、撮影技術の伝承がなされなくなっていく等の撮影業界への影響も現れ始めました。

日本ビデオ撮影アカデミーは、その様な映像業界が抱える問題を少しでも解決したいという思いから、小さいながらも、社会人を対象とした本格的なビデオ撮影を学ぶ場として2年前に開講しまして、お陰さまで卒業生は40名を越えています。

人間に目がある限りは、映像というものは無くならず、実写撮影も続けられていくはずです。

1895年にフランスのリュミエール兄弟が映画を上映してから117年が経過していますが、撮影して上映するというプロセスは今もって全く変わっておらず、カメラの性能は良くなりましたが、撮影は100年前に構築された理論や哲学にのっとて行われています。

当校はそのような基礎的な部分の大切さを重んじて、小型業務用ビデオカメラの取扱や、撮影表現技法について誰でも学ぶことが出来る様に、少人数制、低料金にて講習を行っています。

来年は、当校のこれからの動きとして、撮影録音コースの開設を考えており、現在 実現に向けて具体的な準備に入っているところです。

ベテランの整音技師に講師をお願いし、音の重要性について昔から伝わるプロフェショナルの技を、生徒さんにお伝え出来ればと思っています。

まだまだ当校が目指す 領域は発展途上でありますが、これからも小さいながらも、日本で一番 中身の濃い講習が行えるようにスタッフ一同 頑張って努めていこうと思います。

生徒さんの受け入れキャパ等の問題点もございますが、これからも何卒宜しくお願い致します。

それでは、皆様 良いお年をお迎え下さい。一年間 ありがとうございました。

※  来年は1月12日より初心者講習、1月16日から編集講習を開始いたします。

初心者講習3回目

校長の能勢です。

先日の3回目の初心者講習は、編集点を考えて撮影を行う方法、客観的視点と、主観的視点の撮影方法等について説明を行いました。

内容は、5W1Hの約束、イマジナリーライン、モンタージュ、マスターショット、ファーストカットの意味、カット割り3つの一致、編集技法、構図、客観と主観、意味のある画を作り出すための考え方等、撮影技術というよりも、ビデオカメラを使った文学的表現(ストーリー構築)の仕方を説明した感じです。

ビデオカメラは電源を入れれば、簡単にファインダーに画は写り、録画ボタンを押せば すぐ記録されます。

誰でも簡単に映像を写すことが出来ますが、必ずしも自分が写したいと思ったものが、記録される訳ではありません。

自身が思い描いた理想の映像を記録して、そして伝えたいことを視聴者に伝える。自身の気持ちや想いを映像で表現することは、そう簡単なことではありません。

今回の3回目の講習は、どう映像を使って自己表現するのかの、意識を作り出す 気づきの講習の意味合いもあります。

思ったことを、映像で表現出来れば 世界中のどこに行っても、自分の気持ちを伝えることが出来ます。

映像表現を通じて、世界に羽ばたくことも不可能ではありませんので、是非 映像制作初心者の方も 映像を使った自己表現に挑戦して頂ければ幸いに思います。

次回、4回目の講習は、ビデオカメラの使い方と、撮影技法演習を行います。

初心者講習2回目

初心者講習の2回目の授業を行いました。

今回は、レンズの仕組み、Fナンバー、光の特性と性質、アスペクト比、波長、スペクトル、加法混色、減法混色、色温度、ホワイトバランスなどの、基礎の部分の講習を行いました。

上の写真は加法混色を実際に実験しているものです。マゼンタと、グリーンを混ぜ合わせると白色になることを実証しています。

小型業務機でも民政機でも、現在はフレームレートが変換出来たり、色温度を可変出来たりと、多くの調整が可能になってきました。

そのなかでユーザーは、それぞれのカメラで一体何が出来るのかを、ある程度把握しておかなければ、映像表現の幅が狭くなります。

映像表現の幅を広げるには、基礎部分の事柄の理解度が大きく影響してきます。

Fナンバーと何か、色とは何か、光とは何か、シャッターの仕組みはどうなっているのか、日頃 放っておきそうな事柄が実はもの凄く大切だったりします。

カメラのオート機能をフルに活用して撮影してもいいですが、やはりカメラを使う側からすれば、自分の思い通りに撮影して表現したいはずです。

当校では、そういった基礎の部分を大事にしたいので、初心者講習の2回目までは、カメラを取り扱う上での基礎の部分を講習で学んで頂いています。

次回3回目の講習は、イマジナリーライン、モンタージュ、カット割りの約束等、編集を意識した撮影方法や撮影表現技法の講習を行います。

カメラの基礎、撮影の基本をお知りになりたい方は、ぜひ当校 までお問い合わせ下さい。

当校で使用している16ミリ映写機です。
教材として使用している作品のほとんどが、自身が制作した作品なので、フィルム作品も時々あります。

講師自身が制作した作品を見ながら、注意点や撮影哲学、思想、制作への想いなど、映像からでは感じられない部分の説明などもしています。

劇場公開 無事 終わりました。

校長の能勢です。

お陰さまで、私が撮影と製作を担当した映画「流」、無事 ポレポレ東中野での上映を終了することが出来ました。

上映期間中、沢山の方々にお越し頂き、また暖かい声援や感想を頂きまして、本当にありがとうございました。

現在も実は、この「流」の続編は撮影しておりまして、私の自主製作を行う生活は続きます。

自身が撮影し、そして製作する自主製作体制において、映像業界にあえて闘いを挑み、個人製作や自主製作でも良質の作品を作ることが出来る。

この事を、身を持って実証することで、アマチュアの製作やインディーズの映像制作に可能性があることを伝えていければと思っています。

自主製作は、機材や予算の面で厳しいところがありますが、時間をかけて製作することが出来、なにより自分がとことん納得いくまで作品制作に対峙出来るところが素晴らしいと思います。

予算が無くても、立派な撮影機材がなくても、良質の映像作品は作れます。

名だたる製作会社が「おっ!凄いな!」と思わせることが出来る 映像作品を是非 作ってみて下さい。

その可能性が実現することを、当校は微力ながらお手伝いしたいと思いますので、お気軽に講習や映像制作に関するご相談を頂ければ幸いと思います。

以下の写真は、「流」の作品で、水中ブリンプを使って水生昆虫を撮影している私です。